- 「宿題やった？」
- 「勉強しなさい！」
毎日のように繰り返すこの言葉にうんざりしていませんか？
もしこれらのどれか一つでも当てはまるなら、この記事はあなたのために書きました。
朝は学校の準備でバタバタ、仕事から帰ってきたら夕飯の支度に追われ、やっと落ち着いたと思ったら子どもはゲームやYouTubeに夢中。
「宿題は？」と聞けば「今やろうと思ってた」と返ってくる決まり文句。
そしてつい我慢の限界が来て爆発してしまう。
子どもは泣いたり、不機嫌になったり。
「また怒っちゃった…」と自己嫌悪に襲われる。
そんな毎日、本当に疲れますよね
「もっと優しく接するべきなのに、どうして怒ってしまうんだろう」
そんな風に自分を責めてしまっていませんか？
でも、安心してください。あなたは決して悪くありません。
最後まで読んでいただければ、明日からの声かけが変わり、親子関係がぐっと楽になるはずです。
それでは、まず最初に知っておいてほしい大切なことからお伝えしていきますね。
子どもが勉強しないと親がストレスで限界になるのは当然です
まず最初に、はっきりとお伝えしたいことがあります。
子どもが勉強しないことにイライラして、怒ってしまうのは、あなたが悪い親だからではありません。
むしろ、それは極めて自然な反応なんです。
考えてみてください。
あなたは毎日、仕事や家事、育児に追われながら、限られた時間の中で必死に頑張っています。
そんな中で「勉強しなさい」と何度言っても動かない子どもを目の前にしたら、イライラするのは当たり前です。
- 「将来困るのはあなたなのよ」と言っても響かない。
- 「今やらないと間に合わないよ」と焦っても動かない。
- 「お母さん、もう知らないから」と突き放しても変わらない。
何を言っても効果がないと感じたとき、人は強いストレスを感じます。
これは心理学的にも「無力感」と呼ばれる状態で、メンタルに大きな負担がかかることが分かっています。
家庭学習は親のメンタルが消耗しやすい
家庭での勉強というのは、親にとってストレスフルな育児場面の一つなんです。
なぜなら、家庭学習には以下のような特徴があるからです。
家庭学習は一度注意すれば終わりではなく、明日も明後日も、ずっと続きます。
そして今日頑張って勉強させても、成績がすぐ上がるわけではありません。
努力が報われている実感が得にくいんです。
声かけに対して、子どもが笑顔で「ありがとう！」と言ってくれることは、まずありません。
むしろ不機嫌になったり、反抗的な態度を取られることの方が多いですよね。
他の育児と違って「愛情」だけでは解決しない
つまり、家庭学習というのは親が、
教師・コーチ・マネージャーの役割を同時にこなさなければならない
それを仕事や家事の合間に、やろうとしているわけですから、ストレスで限界になるのは当然なんです。
「勉強しない問題」は親1人で抱える前提が間違っている
多くの母親が陥っている大きな誤解があります。
それは「子どもの勉強は、親が家庭で見るのが当たり前」という思い込みです。
確かに、昔はそうだったかもしれません。
でも現代は違います。
- 共働き家庭が増え
- 親の労働時間は長くなり
- 子どもが学ぶ内容も高度化・多様化
昔と同じやり方で、家庭だけで完結させようとすること自体に無理があるんです。
小学生の約5割が何らかの学習支援サービス(塾・通信教育・家庭教師など)を利用していると言われています。
つまり、
多くの家庭が「親だけで全部やる」という前提を手放している
塾に頼るのは甘えかな？私がもっと頑張れば…
そんな風に思う必要はまったくありません。
料理が得意な人もいれば、苦手な人もいます。
運動が得意な人もいれば、苦手な人もいます。
それと同じで、子どもに勉強を教えるのが得意な人もいれば、苦手な人もいるんです。
だから「一人で抱え込まなくていい」「助けを借りてもいい」ということを、まず知ってほしいのです。
ただ、もう少し楽な方法があるかもしれない。
それを一緒に探していきましょう。
次の章では、なぜ子どもは勉強しないのか、その理由を見ていきます。
実は「やる気がない」わけじゃないんです
なぜ子どもは「勉強しない」の？原因は『やる気』ではなく仕組み
「うちの子、やる気がないのかしら…」
多くのお母さんがそう思ってしまいますが、実はそれは大きな誤解なんです。
子どもが勉強しないのは「やる気がない」からではなく、
勉強できる仕組みが整っていないからなんです。
子どもが悪いわけでも、あなたの育て方が悪いわけでもありません。
ただ、子どもの特性と環境がうまく噛み合っていないだけなんです。
集中力は『15分が限界』
まず知っておいてほしいのは、小学生の集中力は大人が思っているよりもずっと短いということです。
小学校の集中力の持続時間は約15前後
年齢で言うと「年齢×2～3分」や「年齢＋1分」程度が限界だと言われています。
つまり、
「1時間勉強しなさい」と言っても、そもそも無理なんです
「頑張れば集中できる」という精神論の問題ではなく、脳の発達段階の問題です。
大人だって2時間ぶっ続けで集中するのは難しいですよね。
それと同じです。
でも多くの親は、これを知らずに、
と言ってしまいます。
子どもからすれば、できないことを要求されているようなもの。
だから逃げたくなるし、やる気もなくなってしまうんです。
- うちの子、すぐに席を立っちゃうんです
- 5分もしないうちに疲れたって言うんです
それは、怠けているわけではありません。
脳が自然と休憩を求めているサイン
やり方が分からなくて逃げている
「勉強しなさい」と言われても、何から手をつければいいか分からない子どもは意外と多いんです。
大人にとっては「やればいいだけじゃん」と思えることでも、子どもにとっては「何をどうやればいいのか」がわからないと、手が動かせないんです。
特に、学校で一度つまずいた単元があると手が動かない
- 分からないところを分からないまま放置
- その後の勉強もどんどん分からなくなる
- 「もうついていけない」という無力感
- 勉強そのものから逃げるようになる
「やる気がない」ように見えるのは、実は「やり方が分からなくて困っている」だけ
でも、それを親に「分からない」と言えない。
なぜなら、「分からないなら教えてあげるよ」と言われても、どこが分からないのかすら説明できないからです。
ゲームやYouTubeなど「できる」「楽しい」と感じられることに逃げてしまう。
これは、「回避行動」の典型的なパターンです。
親の声かけが正論になりがち
これらは全て正論です。
でも、正論であればあるほど、子どもには響きません。
「将来」という概念がまだぼんやりしていて「今」の気持ちで生きているから
- 「1年後のテストのため」
- 「中学受験のため」
- 「将来のため」
と言われても、それは子どもにとってはまだ実感のない遠い未来。
だから心が動かないんです。
さらに、親が正論を言えば言うほど、子どもは「また説教が始まった」と心を閉ざしてしまいます。
そして親は、正論を言っているのに響かないことにイライラする。
子どもも、言われれば言われるほどやる気をなくす。
この悪循環が生まれてしまうんです。
子どもを動かすのに必要なのは、
「正しさ」ではなく「今の自分にとっての意味」
こういった「今すぐ実感できる小さなメリット」の方が、子どもの行動を変える力があります。
正論で子どもが動くなら、世の中の親は誰も苦労しません。
でも現実は違います。
アプローチを変える必要がある
そもそも勉強する環境が整っていない
「リビングで勉強させてるんですけど、全然集中しなくて…」
こんな悩み、よく聞きませんか?
実は、環境が整っていないと、どんなに本人が頑張ろうとしても集中できません。
こんな環境になっていませんか？
これらは全て、集中を妨げる要因です。
大人だって、騒がしいカフェでは仕事が進まないことがありますよね
子どもはもっと環境の影響を受けやすいんです。
子ども部屋があるのに、そこで勉強しないんですという声もよく聞きます。
でも、子ども部屋を見てみると、ベッドがあり、おもちゃがあり、マンガがあり…。
これでは「勉強する場所」というより「遊ぶ場所」になってしまっています。
勉強する環境を整えるというのは、
立派な学習机を買うことではありません
「ここは勉強をする場所」というシンプルで集中できる空間を作ることなんです。
習慣化は親が怒るほど逆効果になる
そして最後に、これが最も重要なポイントかもしれません。
親が怒れば怒るほど、子どもは勉強から遠ざかります。
人間の脳は「嫌な感情」と結びついた行動を避けようとする性質があるからです。
つまり、「勉強 = 怒られる = 嫌な気持ち」という回路が脳に刻まれてしまうと、勉強そのものが「避けたいもの」になってしまうんです。
本来、習慣化というのは、
その行動をすることで、いい気分になる
という経験を積み重ねることで成立します。
歯磨きの習慣がつくのは、「磨くとスッキリする」という気持ちよさがあるから。
運動の習慣がつくのは、「体を動かすと爽快」という感覚があるから。
勉強も同じです
こういう小さな成功体験とポジティブな感情が積み重なって、初めて習慣になるんです。
「じゃあ怒らずに優しく言えばいいんですね」と思うかもしれませんが、それも簡単ではありません。
疲れている時、余裕がない時、何度言っても動かない子どもを見ていると、感情的になってしまうのは自然なことだからです。
つまり、「親が怒らずに勉強を見る」という前提自体が、非常に難易度の高いミッションなんです。
と言ってもどうしたらいいの？
次の章では、親のストレスを減らしながら子どもに勉強習慣をつける、具体的な5つの方法をご紹介します。
親のストレスを減らし勉強させる5つの方法
それでは、ここからが本題です。
子どもが勉強しない理由が分かったところで、具体的にどうすればいいのか。
今日から実践できる5つの方法をご紹介します。
どれも特別な道具や費用は必要ありません。
ちょっとした声かけや関わり方を変えるだけで、子どもの反応が変わることもあります。
ただし、正直にお伝えしますが、これらの方法を完璧に実践し続けるのは、想像以上に大変です。
できる時に、できる範囲で試してみてください
「完璧にやらなきゃ」と自分を追い詰めないでくださいね。
1.『やりなさい』禁止、選択肢を与える
「勉強しなさい!」
この言葉、今日から封印してみませんか?
命令形で言われると、人は反発したくなるものです。
心理的に自由を奪われそうになると、無意識に抵抗したくなる
だから「やりなさい」と言われれば言われるほど、「やりたくない」という気持ちが強くなってしまうんです。
では、どうすればいいのか？
答えは「選択肢を与える」ことです。
例えば、こんな風に声をかけてみてください。
この声かけの素晴らしいところは、
「勉強する」という前提はそのままに、子ども自身に決定権を与えていることです。
人は、自分で決めたことには責任を持ちやすく、行動に移しやすいという特性があります。
最初は「えー、やだー」と言うかもしれません。
でも、「じゃあどっちがいい?」と繰り返し選択肢を与えてみてください。
小さくても『自分で決めた』という感覚が生まれます。
ただし、この方法にも限界があります
毎回選択肢を言うのも疲れるし、そもそも動かない子もいます。
すでに勉強への拒否感が強くなっている場合は、どんな声かけをしても言うことを聞いてくれない事もあります。
それでも、試してみる価値はあります。
少なくとも『やりなさい！』よりは、お互いのストレスが減るはずです。
2.超短時間学習に切り替える
「１時間勉強しなさい」ではなく、「15分だけやろう」に変えてみてください。
小学生の集中力は約15分が限界です。
だから、最初から長時間を求めるのは無理があるんです。
「15分だけ」という短さが、子どもの心理的ハードルをグッと下げてくれる
1時間と聞くと長い…と思ってしまいますが、15分なら「それくらいなら…」と思えませんか?
その15分でも毎日続ければ、かなりの学習量になります。
- 15分×7日=105分
- 週に1時間45分
- 30日で月に7時間30分
週末に2時間やらせようとして親子でケンカするより、平日に15分ずつコツコツやる方が、トータルの学習時間も定着率も高くなるんです。
具体的な進め方
- 手順1タイマーを目の前に置く
「15分経ったら終わり」というゴールが見えることが大事です。
キッチンタイマーでもスマホのタイマーでもOKです。 - 手順2「15分で終わらなくてもいい」と伝える
『15分で全部終わらせなさい』ではなく、『15分やったらそこで止めていいよ』と伝えます。
- 手順315分経ったら、本当に終わらせる
「あと少しだからやりなさい」は禁句。
- 手順4続けてやりたいと言ったら、褒めて許可する
「あと15分やってみる？」と提案してみてください
この方法は「スモールステップ」という手法です。
この方法にも課題があります
15分のタイマーをセットして実際に見守る。
これを毎日続けるのは、とっても大変です。
でも、できる範囲で試してみてください。
週に2〜3日でもいいんです。
短時間でも勉強できたという成功体験を積み重ねることが大切
3.行動を褒める
つい、できていないことに目が行ってしまいますよね。
でも、子どもの勉強習慣をつけたいなら、できなかったことを指摘するのではなく、できたことだけを褒めることが重要です。
「結果」ではなく「行動」を褒めること
例えば、こんな褒め方
❌「100点取れて偉いね」(結果を褒めている)
⭕「毎日漢字練習頑張ったもんね」(行動を褒めている)
❌「字が綺麗になったね」(結果を褒めている)
⭕「丁寧に書こうとしてるの分かるよ」(行動を褒めている)
❌「テストの点数上がったね」(結果を褒めている)
⭕「分からなくても最後まで考えたんだね」(行動を褒めている)
なぜ「行動」を褒めるのが良いのか?
それは、結果は本人がコントロールできないけれど、行動はコントロールできるからです。
どんなに頑張っても、テストで100点が取れるとは限りません。
でも、「毎日15分勉強する」という行動は、本人の努力でコントロールできます。
行動を褒めることで、
自分で変えられる部分に意識が向くようになり、やればできるという感覚が育つ
大げさに褒める必要はありません。
さりげない声かけの方が、子どもには響きます。
ただ、これも正直に言うと、毎日続けるのは本当に難しいです。
特に、宿題をやったけど字が汚い、ノートが雑、間違いだらけ…なんて状態を見ると、『頑張ったね』なんて言葉より『もっと丁寧にやりなさい』という言葉が先に出てしまいますよね。
それに、褒めるべきポイントを見つけるには、ちゃんと子どもの様子を観察する必要があります。疲れている時や忙しい時は、そんな余裕がないのが現実です。
気づいた時に、できる範囲で
それだけでも、子どもの表情は少しずつ変わっていくはずです。
4.ゲーム・YouTubeの完全禁止は逆効果
- 「ゲームばっかりして！」
- 「YouTube見てないで勉強しなさい！」
この言葉、毎日言っていませんか？
『ゲームやYouTubeをやめさせれば勉強するはず』と思っていますが、完全に逆効果なんです。
無理に取り上げると、子どもは奪われたという気持ちになり、ゲームやYouTubeへの執着が強くなるからです。
現代の子どもにとって、ゲームやYouTubeは友達とのコミュニケーションツールでもあります。
完全に禁止すると、みんなが知ってる話題に入れないという孤立感を生むこともあります。
では、どうすればいいのか？
答えは、
禁止するのではなく、順番を変えること
つまり、
❌「ゲームは禁止!」
⭕「宿題が終わったらゲームしていいよ」
❌「YouTubeばっかり見て」
⭕「15分勉強したら、YouTube見ていいよ」
「勉強→ご褒美』の順番にするんです。
これは好きなことを、好きじゃないことの後のご褒美にすると、好きじゃないことも行動しやすくなるというものです。
やり方はこんな感じ
- 『勉強したらゲームOK』」というルールを明確にする
何分勉強したら、何分ゲームしていいを具体的に決めます。例えば「15分勉強したら30分ゲームOK」など。 - ルールを紙に書いて貼る
後から「そんなこと言ってない」となりがちなので、冷蔵庫や子どもの机に貼っておくと、お互いに確認しやすくなります。 - ルールを守れたらゲームをさせる
「もうゲームやめなさい」「目が悪くなるよ」など、ゲーム中に小言を言うのは我慢しましょう。 - ルールを守れなかった日は、「今日はゲームなしだね」と伝える
感情的に怒る必要はありません。
「ルールだからね」と冷静に伝えるだけで十分です。
この方法の良いところは、
親がゲームを悪者にしないで済むこと
勉強しないからゲーム禁止だと、親が悪者になります。でも「勉強したらゲームできるよ」なら、親はルールの管理者であって、敵ではありません。
ただし、これにも課題があります。
ルールを守らせるには、親が毎日見届ける必要があります。
チェックするのは、結構な手間です。
それに、一度ゲームを始めたら止められない、時間をオーバーしてしまう、という問題も出てきます。
そうなると、また親子バトルが始まってしまうことも。
完璧に運用するのは難しいかもしれませんが、『完全禁止』よりは確実に効果があります。
できる範囲で試してみてください。
5.親が隣に座らない
- 分からないところがあったら教えてあげたい
- ちゃんとやってるか見ていたい
子どもの隣にずっと座って勉強を見ている親御さんは多いのではないでしょうか。
親が隣にいればいるほど、子どもは自分で勉強する力が育ちません。
子どもはお母さんがいないと勉強できないという依存状態になってしまうからです。
- 分からない問題があったら、自分で考える前に「ねぇ、これどうやるの？」と聞く。
- 集中が切れたら「お母さん、見て見て」と話しかける。
- 親がいないと、そもそも勉強を始めようとしない。
勉強習慣ではなく親と一緒に勉強する習慣がついてしまっている
将来的に、親がいなくても自分で勉強できるようになってほしいなら、少しずつ一人で勉強する経験を積ませる必要があるんです。
こんな感じで試してみて！
- 最初の5分だけ一緒に座る
何をやるかを一緒に確認したら、「じゃあお母さん、ご飯作ってくるね」と席を立ちます。 - 見える範囲にいるけど、隣には座らない
リビングで勉強させるなら、キッチンから様子が見える程度の距離を保ちます。 - 「できたら見せてね」と伝えておく
終わったら必ず見る、褒めるという約束をしておくと、子どもは「見てもらえる」安心感を持てます。 - 質問されたら「まず自分で考えてみて」と返す
すぐに答えを教えるのではなく、「教科書のどこに書いてあるかな？」と、自分で解決する方向に促します。 - 本当に分からない時だけ、一緒に考える
それでも分からない時は、答えを教えるのではなく「一緒に考えよう」というスタンスで関わります。
この方法の狙いは、自分でできたという成功体験を積ませることです。
最初はうまくいかなくても、徐々に一人でやることに慣れていきます。
ただし、これも現実的にはかなり難易度が高い方法です。
子どもが「分からない」と言ってきた時に、
「自分で考えて」と突き放すのは、親としても心が痛むから
それに、本当に一人でできるようになるまでには、かなりの時間がかかります。
見守り続けるのは、親にとって大きなストレスです。
とは言え、ちゃんとできるかな？
家庭だけで勉強習慣をつけるのは、想像以上に大変で膨大なエネルギーが必要なんです。
次の章では、家庭だけで頑張る限界について、お話しします。
家庭だけで習慣化が難しい理由
前の章で、家庭でできる5つの方法をご紹介しました。
どれも効果的な方法ですが、
これらの方法を毎日継続して実践するのは、本当に大変です。
頑張って実践しても、うまくいかないことも多いんです。
家庭学習は親が『先生役』にならないといけない
学校で勉強を教えるのは、教育の専門家である先生です。
先生たちは、教員免許をもったプロです。
でも、家庭学習となると、その専門的な役割を、親が担わなければならないんです。
よく考えたら、すごく高度なこと
例えば、算数の割り算でつまずいている子に、どう教えればいいか、すぐに分かりますか？
「割り算はね、分けることなんだよ……」と説明しても、子どもにはピンとこない。
「分からない」と言われイライラしてしまう。
教えるって、本当に難しいんです。しかも仕事や家事の合間にやろうとしているわけです。
できなくて当然なんです。
叱り役と教える役を兼ねると親子関係が悪化する
さらに難しいのが、親は「叱る人」でもあり「教える人」でもあるということです。
学校では、この二つの役割が分かれています。
先生が生活面で叱ることはあっても、勉強で分からないことを教えてくれる時は、優しく丁寧に教えてくれます。塾でも同じです。
でも家庭では、同じ親が両方の役割を担わなければなりません
- 朝は「早く起きなさい！」と叱り
- 昼は「ゲームばっかりして！」と怒り
- 夜は「勉強教えてあげるから」と優しく接する
これ、めちゃくちゃ難しくないですか？
子どもからしても、さっきまで怒っていた人に「分からないところ教えて？」と素直に聞けるでしょうか。
「また怒られるかも」
そんな不安があると、分からないことを正直に言えなくなります。
結果として、
分からないまま放置されて、ますます勉強が嫌いになってしまうんです。
『叱る役割』と『教える役割』を同じ人が担うと、信頼関係が築きにくい
そして、親の方も辛いですよね。
教えているつもりが、気づいたら怒っている。
これが続くと、親子関係がギスギスしてきます。
こうなってしまうと、勉強習慣をつけるどころではありません。
親子関係の修復が先決になってしまいます。
勉強習慣は第三者の関与があると楽になる
親以外の大人が勉強に関わっている子どもは、家庭学習の習慣が身につきやすいと言われています。
なぜだと思いますか？
理由はいくつかあります。
- 親の役割が軽くなる
- 子どもにとって「逃げ場」がなくなる
- 親のメンタルが楽になる
第三者が教える役を担ってくれることで、親は『見守る役』『褒める役』に専念できます。
- 塾でちゃんとやってる？
- 宿題終わったね、頑張ったね
こんな風に、ポジティブな関わりだけに集中できるようになるんです。
そして親が言っても聞かない子でも、塾の先生や教材のアプリが『やろうね』と促すと、素直に動くことがあります。
なぜなら、親以外の大人には反抗しても意味がないと無意識に感じるからです。
塾や通信教材をやれば、親がやりなさいと言うより『塾があるから』『提出日だから』という理由の方が、子どもは納得しやすいんです。
そして親としても罪悪感を軽減してくれます。
私が教えられなくても、プロが見てくれているという安心感が、親の心の余裕を生むんです。
塾や通信教材を利用し始めたことで、子どもとの関係が良くなったと感じる親は非常に多いんです。
「家庭で頑張れない=ダメ」ではなく仕組みの問題
ここまで読んで、こんな風に思った方もいるかもしれません。
その気持ち、とてもよく分かります。
家庭だけで頑張れないのは、あなたのせいでも、努力不足でもありません。
仕組みの問題なんです。
昔と今では、子育ての環境がまったく違います。
昔は、専業主婦の家庭が多く、親に時間的余裕がありました。
兄弟も多く、上の子が下の子に教えるという自然な仕組みもありました。
でも今は、共働き家庭が主流です。
一人っ子や二人兄弟が多く、教え合う環境もありません。
親の労働時間は長くなり、学習内容は高度化しています。
こんな状況で、昔と同じように家庭だけで完結させようというのは、そもそも無理があるんです。
料理が苦手な人が、お惣菜や外食を利用するのは当たり前ですよね。
掃除が苦手な人が、ルンバや家事代行を使うのも、今や普通です。
それと同じで、
勉強を教えるのが苦手な人、時間がない人が、塾や通信教材を利用するのは普通の事
大切なのは、自分だけで全部やることではありません。
子どもが勉強習慣を身につけ、親子関係が良好でいられることが大切
そのために、プロの力を借りるのは賢い選択なんです。
「助けを求めてもいい」という選択肢
もしあなたが今、こんな風に感じているなら。
それは、助けを求めていいサインです。
頑張りすぎて、親子関係が壊れてしまう前に。
子どもが勉強嫌いになってしまう前に。
あなた自身が心を病んでしまう前に。
第三者の力を借りることを、考えてみませんか？
次の章では、塾や通信教材を利用すると、どう変わるのかについてお話しします。
プロに任せると親のストレスは激減【塾・通信教材という第三者】
「もう少し、家庭で頑張ってみようかな…」
そう思っている方も多いかもしれません。
でも、ここで一つ考えてみてください。
あなたが体調を崩した時、病院に行きますよね。
自分で治そうと無理をして、悪化させることはしないはずです。
勉強も同じなんです。
家庭でなんとかしなきゃと無理をして、親子関係が悪化したり、子どもが勉強嫌いになってしまったら本末転倒ですよね。
塾や通信教材という「プロの力」を借りることで、どれだけ親のストレスが減り、家庭が平和になるのか具体的にお伝えします。
勉強するのは親以外の大人が関わっている
『子どもは、親以外の大人の言うことは比較的素直に聞く』ということです。
これ、実感ありませんか？
- 家では全然勉強しないのに、塾に行ったらちゃんとやる
- 親が言っても無視するのに、先生が言うとやる
- 「宿題やりなさい」と言っても動かないのに「塾の宿題」だとやる
不思議ですよね。
でも、これには理由があります。
子どもは親に対しては、甘えや反発を出しやすいから
親は、どんなに怒っても最終的には自分の味方でいてくれる。
だから、ちょっとくらいサボっても大丈夫だろう、という甘えが無意識に出てしまうものです。
逆に、塾の先生や通信教材のサポーターなど、親ではない大人に対しては、そこまで甘えられません。
だから、素直に指示に従うんです。
つまり、怒らなくても勉強する状態を作るには、親以外の第三者の存在が非常に効果的なんです。
だからこそ、親が全部やるという前提を手放して、プロの力を借りることが、結果的にうまくいく方法なんです。
個別指導塾は「宿題の管理」「やり方の指導」「メンタルケア」がセット
塾って、ただ勉強を教えてくれるだけでしょ？
そう思っている方も多いかもしれません。
でも、実は違うんです。特に個別指導塾の役割は、想像以上に幅広いんです。
1.宿題の管理をしてくれる
家庭では「宿題やった？」「明日提出でしょ？」と、親が管理する必要がありますよね。
毎日となると本当に疲れます。
でも、個別指導塾では、先生が一人ひとりの宿題や提出物を管理してくれます。
- 「今週はここまで進めようね」
- 「次回までに、このページをやってきてね」
- 「前回の宿題、ちゃんとできてるね」
こんな風に、先生が声をかけてくれるので、親が「やりなさい」と言わなくても、子どもが自分で動くようになるんです。
2.つまずきを見つけて、やり方を指導してくれる
家庭で教えていると、どこが分からないのかを見極めるのが難しいですよね。
でも、プロの先生は、子どもの様子を見ただけでここでつまずいてるなと気づけます。
そして、その子に合った説明方法、教え方を知っています。
こういった判断をして、最適な指導をしてくれるんです。
親が何時間もかけて説明しようとしていたことが、プロが教えると10分で理解できた、なんてこともよくあります。
3.メンタルケアもしてくれる
意外と知られていないのが、塾の先生は子どものメンタル面もサポートしてくれるということです。
塾の先生は、ただ勉強を教えるだけでなく、励ましたり、小さな成功体験を積ませたり、自信を取り戻させる関わり方をしてくれます。
親が頑張ってと言っても響かない時でも、
先生が「この前より絶対できるようになってるよ」と言うと、不思議と子どもは前向きになれたりする
つまり、個別指導塾に通わせるということは、勉強面だけでなく、精神面でも子どもを支えてくれる『もう一人の大人』を味方につけるということなんです。
参考記事：後悔しない塾選び！個別指導の料金比較と本当に伸びる塾を見極めるコツ
通信教材は親の負担を減らし、子どもが自走できる仕組み
そんな方には、通信教材という選択肢があります。
通信教材の最大のメリットは、親が指示しなくても、子どもが自分で勉強できる仕組みが整っていることです。
タブレット学習なら、ゲーム感覚で楽しく続けられる
最近の通信教材は、ただの紙のドリルではありません。
タブレットを使った学習が主流で、
続けやすい工夫がたくさんあります。
ゲームばっかりして困るという子でも、学習アプリなら夢中になって取り組んでくれることが多いんです。
自動で丸つけ解説してくれる
親が一番大変なのが、丸つけと解説ですよね。
「合ってる？」と聞かれるたびに手を止めて確認して、間違っていたら説明して…これ、本当に時間がかかります。
でも、通信教材のタブレット学習なら、問題を解いた瞬間に自動で丸つけしてくれます。
そして、間違えた問題には解説動画が流れたり、類似問題が出題されたり、子ども一人でも理解できる仕組みになっているんです。
進捗が見える化されるから親も安心
ちゃんとやってるのかと不安になります。
通信教材には親用のアプリやサイトがあり、
一目で分かるようになっています。
だから、子供に確認しなくてもスマホで確認できる。
これだけでも、親のストレスはかなり減ります。
レベルに合わせた学習ができる
学校の授業についていけてない子も、逆に物足りない子も、一人ひとりのレベルに合った学習ができるのが通信教材の強みです。
AIが理解度を判断して、その子に最適な問題を出してくれる教材もあります。
つまり、親が教えるという負担をほぼゼロにしながら、子どもの学力を伸ばせるんです。
参考記事：自宅学習で差がつく！小学生におすすめの通信教育と失敗しない選び方
第三者が入るだけで家庭が平和になる
ここまで読んで、「塾や通信教材って、思ったより良さそう」と感じた方も多いのではないでしょうか。
一番大きなメリットは、勉強面の効果だけではありません。
第三者が入ることで、家庭の空気がガラッと変わるんです。
親の役割が変わる
塾や通信教材を利用すると、
親は「教える人・管理する人」ではなく、「見守る・褒める人」になれる
こんな風に、ポジティブな言葉をかけるだけでよくなります。
すると、子どももお母さん、最近怒らなくなったなと感じて関係が良くなっていくんです。
「勉強しなさい」を言わなくてよくなる
- 「塾があるから準備しなきゃね」
- 「今日はタブレットの日だよね」
外部のスケジュールに合わせて動くようになるので、親が「勉強しなさい」と言う回数が激減します。
お母さんが言ったからではなく、塾があるから、提出期限があるからという外的な理由で動くようになる
親自身の罪悪感が消える
こんな罪悪感、ずっと抱えていませんでしたか？
でも、塾や通信教材を利用することで「プロに任せている」という安心感が生まれます。
そう思えるだけで、心がすっと軽くなると思います。
塾や通信教材を利用することは、決して「逃げ」でも「甘え」でもありません。
親のストレスを減らし、子どもの学力を伸ばし、家庭を平和にするための、賢い選択なんです。
でも塾と通信教材どっちがいいの？
子どものタイプによって、向いている方法は違うので、個別指導塾と通信教材のどちらが合うのかを分かりやすく比較してみました。
| 子どものタイプ | 個別指導塾向き | 通信教材向き |
| 勉強嫌い・逃避型 | 強制力とサポートで逃げ場をなくせる | ゲーム感覚の優しい導入で抵抗感を減らせる |
| 分からないが言えない | 先生に直接質問できる環境がある | 一人でコツコツ、自分のペースで進められる |
| 家で全くやらない | 塾という「場所」と時間で強制的に管理 | アプリの通知やご褒美機能で習慣化しやすい |
| 番外編 | 勉強の役割を完全に引き取ってくれる | 「やりなさい」と指示する必要がなくなる |
もしどちらを選ぶか迷ったそんな時は、まず通信教材から試してみるのがおすすめです。
なぜなら、通信教材は費用も塾より抑えられますし、合わなかったらすぐに辞められるからです。
以下の参考記事を参考にしてみて
まとめ | 対処法は仕組みを変える
- また怒っちゃった
- ダメな母親だ
- どうして感情的になっちゃうんだろう
もう自分を責めるのはやめてください。
あなたは、十分頑張っています。
問題は、あなたの努力が足りないことでも、忍耐力がないことでもありません。
子どもが勉強しないのは、やる気がないからではなく、仕組みが整っていないから。
環境や関わり方を変えるだけで、自然と怒る回数が減っていきます。
まずは、どれか一つでもいいんです。
小さな変化が、やがて大きな変化になります。
そして、もし「もう限界」と感じているなら、今すぐプロの力を借りてください。
助けを求めることは、恥ずかしいことでも、弱いことでもありません。
むしろ、賢い選択です。
この記事が、少しでもあなたの心を軽くできたなら、これ以上嬉しいことはありません。
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